さて、4月の実習は残り3日となりました。かわでぃーです。ANU の老年病内科の紹介です。
私が配属された科はGeriatrics and Aged Care というDepartment で、その中でもAcute Care of the Elderly (ACE unit) という病棟で主に実習しています。他にも隣にSub-acute の病棟もあります。ACE unit の患者は全て、「救急を受診して」入院となった患者の内、比較的高頻度に検査を要する、または治療が急がれる高齢者です。心筋梗塞の患者もいれば、糖尿病患者、骨髄炎で手術を要する患者、慢性心不全やCOPDの急性増悪の患者、肺炎の患者など、多彩な症例を見ることができます。以下に、この実習で必要と思われる医学知識、疾患について羅列してみます。
慢性心不全、心筋梗塞、不整脈、高血圧、心雑音、心電図、肺炎、COPD、間質性肺炎、糖尿病、足潰瘍、蜂窩織炎、せん妄、肝硬変、急性・慢性腎障害、尿路感染症、関節リウマチ、骨粗鬆症、側頭動脈炎、電解質異常、認知症、うつ、ADL、抗菌薬
内科の幅広い知識が必要となり、大変勉強になります。循環器疾患が比較的多い印象です。私は5月の医科歯科での循環器内科のローテーションを回れなくなったため、それを埋めるという意味でもいいチャンスでした。
私はGeriatrics を第1希望で出しましたが、「老年病内科」というのに特別興味があったわけではありませんでした。昨年ANU のGastroenterology で2ヶ月実習をされた本当の第1期生である医科歯科のT先輩の情報によると、Geri では詳細な問診から全身の身体所見を取ってプレゼンするという非常に基本に忠実な学習ができるとの噂をうかがっておりました。医科歯科では外来での予診取りや合計3回のmini-CEX が問診・診察・プレゼンをできる大変良い機会ですが、それでも「詳細な」「全身の」というわけにはなかなかいきませんし、回数も正直多くないです。大変貴重な機会だろうと期待して応募しました。
では実際どうだったか。ANUではどんな実習ができるの?で重要なポイントについては既に書きましたが、細かく見ていきます。
・各種 Handover は朝の申し送りのカンファで、学生は基本聴講。Medical Handover では前日の全科の入院患者の申し送りが行われます。とてもQuick で聞き取れない上に教育向けの場ではないのでついていくのが大変難しいです。でも、たまにHandover の前に学生を巻き込むInteractive なショートレクチャーが不定期で入ることがあり、やはり難しいものの勉強になります。
・Ward Round 回診では先生にくっついて患者に会い、先生がとった所見や患者とのやりとりの中で決めた今後のプランなどをその場でカルテに書いていきます。病棟のカルテは全て手書きな上、先生の発言を聞き取ってカルテにまとめるのはかなり大変ですが、少しずつ慣れてきました。回診はだいたい12時までかかりますが、これに参加することは非常に重要です。なぜなら、回診で先生が患者に分かりやすく病状や今後のプランを説明するときの話し方が自分にとっても一番分かりやすく、患者を理解するのに役立つからです(それでもリスニングは難しい…)。先生が学生に質問をすることもありますし、学生が診察するのに最適な患者を見つけて教えてくれたりすることもあります。
・レクチャーも定期的にあります(表以外にも)。レクチャーはどれもCase based learning で少人数制、先生の質問にどんどん答えていく形式で、ANU学生からは大いに刺激を受けています。発言しやすい場なので質問もどんどんでき、レクチャー後は大変すっきりします。レクチャーの内容も、例えば肺炎のケースの場合、肺炎で見られうる身体所見は何か(例えば肺のconsolidation によるBronchial breathing)、逆にBronchial breathing がある場合consolidation 以外に何が考えられるか、肺炎のリスクファクターは何か、必要な検査、起因菌、初期治療、使用する抗菌薬は何か(重症度によって使い分ける)、じゃあ重症度はどう判定するか……という風にどんどん話が広がり、非常に"Thorough"な内容となっており、包括的な知識が得られます。
・Ward Work 午後の病棟業務の時間にやることは、Long Case、Short Case、暇な先生にレクチャーを受ける、先生方の仕事の手伝い(採血やMMSE をとるなど)などです。午後は、学生は基本的に好きなように実習ができます。
私はというと、もっぱらLong caseをやっています。
・Long Case
もっぱらと言っても週に1〜2回です。先生にお願いして患者を割り当ててもらい、問診・診察をし、時間を見つけて先生にプレゼンをしにいきます。問診は、それこそまさにFOCUS でのトレーニングが活きる場ですが、それよりももっと詳細な問診が必要になります。まず苦労するのが、症状や既往歴を時系列にそって整理すること。一番苦労しているところです。FOCUS をやっているときからそれは感じていたため、FOCUS 以外でもハーバード組のN氏と何度も問診の練習をして慣れようと努めてはいましたが、なんせ高齢者でさまざまな症状、既往歴を抱えている上に、話があっちこっち飛ぶことがしばしばあり、試行錯誤を要します。既往歴についても詳細に聞くことが必要で、そのためのヒントとして"DR PIMCO" というのを教わりました。
<2型糖尿病の既往がある場合の例>
D uration: 19 years
R isk factor: Obesity, Poor diet control, FHx
P re-symptom? (←あやふや): Polyuria, Polydipsia
I nvestigation: OGTT, Blood test
M edication: Initialy what?, Current Mx?
C omplication: Neuropathy
O utcome: Poorly controlled HbA1c 7.9
これらを既往歴一つ一つに対して可能な限り埋められれば、患者の病歴をよく理解するのに役立ちます。
また、プレゼンの際には治療に加えて今後のマネージメントとして家に戻るかNursing home へ入るかなどの意見も述べる必要があるため、例えば家では誰と住んでいてどのくらい世話してもらっているか、1階建てか、段差は無いか、今後どうしたいと考えているかなども聞きます。ここまでやるのはGeri だからこそかもしれません。
結局、問診だけで40〜60分以上かけてしまいます。ほとんどの患者さんは協力的なので、それ自体問題にはなっていませんが、改善する余地は大いにあります。
診察は可能な限り全身に対して行いますが、常々感じているのが、これは先生の前でやるわけではないので、診察方法へのフィードバックは得られません。それが難点です。
プレゼンでは、FOCUS のおかげで構成自体は問題なく仕上げられるのですが、やはりここにきて感じられるのが臨床推論とプランニング(特に治療とマネージメント)の力不足です。思い返してみると、問診の時から既に病歴の理解に必死になっていて、鑑別を考えながら問診できていないことに気づきます。そんなこと、初心者がよくフィードバックで言われるやつじゃん、ってことは分かっていますが、なかなかね。後々になって、あれ聞けばよかったとか、あれ診察し忘れた、ってなります。でもまあ、フィードバックもらって、復習してそう気づくのを繰り返していけば慣れていくかなと思って、また頑張っていきます。
ちなみに今日は初めて、他の病棟(腎臓内科)の患者さんのLong Case をやりました。高齢者でもありませんでした。時系列に沿って聞きたい意図を理解して下さり、比較的問診がスムーズにいったので、いつもより鑑別などを意識しながらできました。ANU の実習のいいところの一つには、こういう風に、希望すれば比較的自由に科もまたいで勉強できることがあるかもしれません。
・Short Case
実はまだ一度もやったことありません!第1週に友達がやるのを見たきりです。これはずっと先生に付き添ってもらってやるので、先生が時間があるときでないと難しいです。私は3度ほどお願いしてきましたがなかなか時間がなく難しい様子でした。5週間いた友達も2回しかできなかったそうです。しかしこれは非常に良い身体所見の練習になります。先生の前で特定の範囲の診察(Cardiovascular 限定など)をし、所見と鑑別、検査プランをプレゼンするものです。なんとかあと3日で1回くらいできればいいな!
・暇な先生にレクチャーを受ける
これが非常に勉強になります。先日研修医からせん妄のレクチャーを受けました。レクチャーといっても、質問形式で、学生が答えていきます。せん妄の定義、リスクファクター、原因、必要な検査、マネージメント(環境への介入+薬物治療)、また原因の一つの高Ca血症から発展してその鑑別などの話にまで至りました。研修医の先生がいかに整理された医学知識をお持ちかを思い知らされました。
・先生方の仕事の手伝い
んー、これはほとんどMini Mental Scale Examination を取るか、ごくまれに採血ができる、くらい。
その他には……
長くなったのでひとまずここで!
Geriatrics and Aged Care まとめ② に続きます。
かわでぃー
2015年4月28日火曜日
2015年4月27日月曜日
Mt. Ainslie 登頂!
Mt. Ainslie からオーストラリア戦争記念館、アンザックパレード、国会議事堂まで一直線に並んで見える。 |
日曜日、再び友達の車に乗せてもらってCivic へ来ました。
以前左の写真で軽く紹介したMt. Ainslie(奥の山)に登ってきました。この写真の目線とちょうど真逆の方向から街を見おろせます。登山というほどきついものではありません、やたらに高い丘、という感じでしょうか。
むむ!
見えますでしょうか?
【拡大】
いらっしゃった!
すみません以上です。いずれ正面像をご覧に入れましょう。
今週中に老年病内科の話を書きますね!
かわでぃー
※以前プロセメでCanberra へ来たM6のH氏に教えてもらったDobinsons Bakery Cafe というお店でバーガーとタルトを食べました。美味。Canberra 来たら是非!
Dobo's burger $13.95 |
Fruits Salad Tarte $3.80 |
2015年4月24日金曜日
Department of Medical Oncologyへようこそ!
3週目もあっという間でした。にゃん吉です。
このクールも実質あと4日!(来週月曜は祝日のため)
…ということで。
私が実習をしているDepartment of Medical Oncology(腫瘍内科)についてご紹介!
名前通り、ありとあらゆる腫瘍の患者さんと巡り合います。
医科歯科大には存在しない診療科なので私にとってはちょっと新鮮。
外来と病棟、Consultationを行っています。
【外来】@Canberra Region Cancer Centre(CRCC) 2F
The Canberra Hospitalで1番新しい建物なのです♪
2F外来はOncologyだけでなく、血液内科Hematology、免疫内科Immunologyも一緒。
1Fには放射線腫瘍科Radiation oncology、
4Fには化学療法Chemotherapyの外来もあります。
とにかく、腫瘍に関係のある科や施設が集まってるイメージ。
外来では、専門医SpecialistまたはレジデントRegistrarについて見学。
ほとんどFollow upの患者で、放射線治療Radiotherapyや化学療法Chemotherapyの進捗状況とか体調確認がメイン。
患者さんにお願いして、胸部や腹部診察などをさせていただいてます。
専門医の先生は10人ほど。
得意分野がそれぞれおありだということで、日替わりで別の先生について様々な腫瘍について学んでます。
今のところ、乳癌Brest cancer、結腸直腸癌Colorectal cancer、Melanoma、Lung cancerが多いイメージ。
希望すれば、化学療法Chemo外来も見学可。
(ただしかなり忙しくて、自分からついて行ったり聞いたりしないと放置されかねないので注意…汗)
日本の病院の外来と雰囲気はあまり大差ないですが、医師と患者間のコミュニケーション・患者の家族との信頼関係構築にしっかり時間をとっている感じがします。
そもそも診察室への入室は、待合室へ医者自らが患者を呼びに行きます。
大病院でありがちな、放送で呼び出し、ではないのですね。
【病棟】
朝8時頃から回診Morning roundがスタート。
患者数が多かったり、話し込んだりすると午前中丸々使います。
時に急患があると救急科EDへ行くことも。
ちなみに、救急科のドクターのスクラブは緑色!
医科歯科で救急を回る学生が着る緑のスクラブそっくりでちょっと不思議な気分。
「問診・診察とか自由にやっていいよ!」とのことで、
午後に自分で病室を訪ねて病状を聴いたり身体診察をさせていただいてます。
ANU学生曰く、「politeであれば患者さんは大抵学生でも親切に診させてくださる」とのこと。
確かに、「日本からきた医学生だ」と自己紹介するところから始まり、
まだ不慣れでも真摯に診察すると、快く応えてくださいます。
英語が速くて聞き取り切れなかった時も、素直にそう言うととわかるようにゆっくり話してくださることも。
本当にありがたいことで、英語での診察がもっともっと上手くできるようになりたいと思うモチベーションになっています。
【Consultation】
他科からの化学療法依頼とかで、Registrarの先生と一緒に赴きます。
患者に会う前に分厚いカルテをポンと手渡され、
「どんな患者か教えて?」と言われ、プレゼンすることも。
さっき【病棟】のところで書き忘れてましたが。
入院患者のカルテは紙媒体、つまりは手書き!
…解読不能。達筆すぎて。いや、個人の文字のクセが強すぎて。
……と思っていたけれど、最近読めるようになってきた。
慣れかな、なんだろう。
患者に会う時は、末期癌だって説明だったり、Chemoか緩和療法Palliative careかの選択だったりと繊細な話が多いので基本的には見学。
【その他】
腫瘍は色んな科が協力して治療する必要があるので必然的に合同カンファが多い。
放射線医、病理医、呼吸器外科医などとそれぞれmeetingがある。
大分長くなってしまいました…
思うこととかいろいろあるけれど、これ以上書くと煩雑なので止めます。
あと1週間、まだまだOncologyを堪能してまいります!
にゃん吉
このクールも実質あと4日!(来週月曜は祝日のため)
…ということで。
私が実習をしているDepartment of Medical Oncology(腫瘍内科)についてご紹介!
名前通り、ありとあらゆる腫瘍の患者さんと巡り合います。
医科歯科大には存在しない診療科なので私にとってはちょっと新鮮。
外来と病棟、Consultationを行っています。
【外来】@Canberra Region Cancer Centre(CRCC) 2F
The Canberra Hospitalで1番新しい建物なのです♪
白い建物。細長い大きな窓が多い。もうとにかくキレイ♪ |
1Fには放射線腫瘍科Radiation oncology、
4Fには化学療法Chemotherapyの外来もあります。
とにかく、腫瘍に関係のある科や施設が集まってるイメージ。
外来では、専門医SpecialistまたはレジデントRegistrarについて見学。
ほとんどFollow upの患者で、放射線治療Radiotherapyや化学療法Chemotherapyの進捗状況とか体調確認がメイン。
患者さんにお願いして、胸部や腹部診察などをさせていただいてます。
専門医の先生は10人ほど。
得意分野がそれぞれおありだということで、日替わりで別の先生について様々な腫瘍について学んでます。
今のところ、乳癌Brest cancer、結腸直腸癌Colorectal cancer、Melanoma、Lung cancerが多いイメージ。
希望すれば、化学療法Chemo外来も見学可。
(ただしかなり忙しくて、自分からついて行ったり聞いたりしないと放置されかねないので注意…汗)
日本の病院の外来と雰囲気はあまり大差ないですが、医師と患者間のコミュニケーション・患者の家族との信頼関係構築にしっかり時間をとっている感じがします。
そもそも診察室への入室は、待合室へ医者自らが患者を呼びに行きます。
大病院でありがちな、放送で呼び出し、ではないのですね。
【病棟】
木の看板の後ろの道を左に曲がるとOncologyの病棟。 |
患者数が多かったり、話し込んだりすると午前中丸々使います。
時に急患があると救急科EDへ行くことも。
ちなみに、救急科のドクターのスクラブは緑色!
医科歯科で救急を回る学生が着る緑のスクラブそっくりでちょっと不思議な気分。
「問診・診察とか自由にやっていいよ!」とのことで、
午後に自分で病室を訪ねて病状を聴いたり身体診察をさせていただいてます。
ANU学生曰く、「politeであれば患者さんは大抵学生でも親切に診させてくださる」とのこと。
確かに、「日本からきた医学生だ」と自己紹介するところから始まり、
まだ不慣れでも真摯に診察すると、快く応えてくださいます。
英語が速くて聞き取り切れなかった時も、素直にそう言うととわかるようにゆっくり話してくださることも。
本当にありがたいことで、英語での診察がもっともっと上手くできるようになりたいと思うモチベーションになっています。
【Consultation】
他科からの化学療法依頼とかで、Registrarの先生と一緒に赴きます。
患者に会う前に分厚いカルテをポンと手渡され、
「どんな患者か教えて?」と言われ、プレゼンすることも。
さっき【病棟】のところで書き忘れてましたが。
入院患者のカルテは紙媒体、つまりは手書き!
…解読不能。達筆すぎて。いや、個人の文字のクセが強すぎて。
……と思っていたけれど、最近読めるようになってきた。
慣れかな、なんだろう。
患者に会う時は、末期癌だって説明だったり、Chemoか緩和療法Palliative careかの選択だったりと繊細な話が多いので基本的には見学。
【その他】
腫瘍は色んな科が協力して治療する必要があるので必然的に合同カンファが多い。
放射線医、病理医、呼吸器外科医などとそれぞれmeetingがある。
大分長くなってしまいました…
思うこととかいろいろあるけれど、これ以上書くと煩雑なので止めます。
あと1週間、まだまだOncologyを堪能してまいります!
にゃん吉
Canberra チャリ旅【一時中止のお知らせ】
自転車を買って3週間、チェーンが切れました。かわでぃーです。病棟ではダイスーキーと呼ばれてます。
←いやしかし、こんなことってございます?今日実習終わってスーパーに買い物行こうと乗った瞬間、ピチンッてチェーン切れたんですよ。一番安いチャリを探し当てて、案の定乗り心地は最悪だったのですが、乗れなくなるとは!ほぼ新品だというのに、なんとまあ。日本の中古のママチャリはもっともつでしょうが。
Assembly 代を浮かすために自分でこのチャリ組み立てたんですけど、何か問題あったんですかね?でもチェーンの部分はいじってないのでそんなことはないはず。チェーンが切れる原因って何ですか?鑑別は?
何が困ったって、来週の月曜はAnzac Day という記念日(の振替休日)で祝日なんです。 月曜は特に友達との約束もないのでチャリで遠出しようと思っていたのに、これですよ……直せるかな……
チャリ旅復帰に乞うご期待。
ついでに近くのスーパーの紹介。
こちらが最寄りのスーパー"Garran Friendly Grocer"。店員さんがFriendly(?)。片道1km以上あるので自転車があるとやはり便利ですね。肉の種類は少なかったりしますがさほど困りません。
8:00am - 8:00pm
こちらは2km以上離れた"Woden Westfield"。ショッピングモールになっており、なんでもそろう。自転車もここのモールの中で購入。
8:00am - 10:00pm と非常に便利だが、遠くて平日は行く気にならない。
明日はまずWestfield でチャリの修理。(その前に自力で修理にトライ)
かわでぃー
←いやしかし、こんなことってございます?今日実習終わってスーパーに買い物行こうと乗った瞬間、ピチンッてチェーン切れたんですよ。一番安いチャリを探し当てて、案の定乗り心地は最悪だったのですが、乗れなくなるとは!ほぼ新品だというのに、なんとまあ。日本の中古のママチャリはもっともつでしょうが。
Assembly 代を浮かすために自分でこのチャリ組み立てたんですけど、何か問題あったんですかね?でもチェーンの部分はいじってないのでそんなことはないはず。チェーンが切れる原因って何ですか?鑑別は?
何が困ったって、来週の月曜はAnzac Day という記念日(の振替休日)で祝日なんです。 月曜は特に友達との約束もないのでチャリで遠出しようと思っていたのに、これですよ……直せるかな……
チャリ旅復帰に乞うご期待。
ついでに近くのスーパーの紹介。
こちらが最寄りのスーパー"Garran Friendly Grocer"。店員さんがFriendly(?)。片道1km以上あるので自転車があるとやはり便利ですね。肉の種類は少なかったりしますがさほど困りません。
8:00am - 8:00pm
こちらは2km以上離れた"Woden Westfield"。ショッピングモールになっており、なんでもそろう。自転車もここのモールの中で購入。
8:00am - 10:00pm と非常に便利だが、遠くて平日は行く気にならない。
明日はまずWestfield でチャリの修理。(その前に自力で修理にトライ)
かわでぃー
2015年4月22日水曜日
ANUではどんな実習ができるの?
気になるタイトルですね。かわでぃーです。3週目に入っております。
ANU医学部の学生は皆 Postgraduate (4年制大学卒業後に進学) でありその後医学部を4年で卒業します。同じ科を回るANU学生はものすごく優秀で、毎日圧倒されながら刺激を受けています。3年生のローテーションは僕ら Elective student と少し異なり、1クール5週間、今週が新たなクールの最初で、おかげで新しい友だちが増えました。良い友達に恵まれ、助けられながら毎日元気に勉強しております。
さて、私は4月の4週間は老年病内科 (Geriatrics) で実習をしております。先週まで一緒だった友達にある本を紹介してもらいました。
ANU医学部の学生は皆 Postgraduate (4年制大学卒業後に進学) でありその後医学部を4年で卒業します。同じ科を回るANU学生はものすごく優秀で、毎日圧倒されながら刺激を受けています。3年生のローテーションは僕ら Elective student と少し異なり、1クール5週間、今週が新たなクールの最初で、おかげで新しい友だちが増えました。良い友達に恵まれ、助けられながら毎日元気に勉強しております。
さて、私は4月の4週間は老年病内科 (Geriatrics) で実習をしております。先週まで一緒だった友達にある本を紹介してもらいました。
Nicholas J Talley, Simon O’Connor "Examination Medicine: A Guide to Physician Training 7ed" 2014, Elsevier Australia |
オーストラリアの医師は、Physician (ここでは内科医を指す) を目指す場合、Intern
1年、Resident 1年、その後3-4年のトレーニングを積んで、内科専門医試験を受け、パスした後に更に細かい専門科へ分かれていくという流れを経ていきます。この内科専門医試験には
RACP examination というものがあります。ちなみにこのRACP exam は世界的に見てもレベルが高く、合格率は50%程度だそう。その試験は筆記試験に加え臨床能力を試験するものがあり、それは"Long case" と
"Short case" というものに分かれます。この本はその2つのためのものです。
つまり卒後5年目くらいの医師レベルの本です。しかし、なんとANU学生はこの本で身体所見の勉強をしているそうで!なんとまあ。
私は実習2日目に、先生に「あの患者さんのLong case をやってごらんよ」と言われてやりました。その後友達がShort case をやるのを見させてもらいました。また、あと2ヶ月後にまさにRACP exam を受けんとする先生にくっついて本物のShort case を見学しました。これらを経験して実力不足を実感し、上記のような身体所見を学べる本に頼らざるをえなくなったというわけです。(詳しくはまたGeriatrics の実習の紹介の時に書くことにします。)
それはさておき、Long case, Short case って一体どんなのでしょうか?
・"Long
case"
患者に詳細な問診・全身の身体所見を取った後、上級医に患者の情報から鑑別・検査プランまでをプレゼンし、上級医の質問に答える。入院患者の場合は患者に入院時を想定してもらい、まさに医科歯科のmini-CEX の本格版。
・"Short
case"
'This 50-year-old man presents with dyspnoea on exertion
and orthopnoea. Please examine his cardiovascular system.' などの指示を受け、上級医の前で限られた短い時間で必要な身体所見を取り、その後所見から鑑別診断・検査プランまでをプレゼンし、上級医の質問に答える。
こんな感じ。そして何が言いたいかというと、「ANU医学部の実習も"Long
case" と"Short case" がコアになっている」ということ。
このスタイルが素晴らしいと思うのは、新入患者に対する問診や診察法を学べる点と、詳細なフィードバックを受けられることです。患者や先生とのInteractive なやりとりがあり、FOCUS でトレーニングしてきた力を試す機会としては最高です。(FOCUS について:ハーバード組のblog 参照)
どちらかというと、入院患者を毎日フォローするような実習ではなく、患者へのファーストタッチに重点が置かれているように思われます。
すべての科でこのような実習方法が取られているわけではありませんが、この2つが学生の大きな学習の場となっているのは確かです。他の科を回るANU学生に聞いてもこれらにトライしている話をよく聞きます。
しかし、医科歯科の実習で学べるような、「毎日担当患者を診察して検査結果を確認してアセスメントとプランを考えながらカルテを書き、フィードバックをもらう」という機会はあまりないように思われます。3年生の友達もみな、「特定の患者をフォローするのはあんまりないなー」と言っていました。
とりあえず、医科歯科と比較して「ANUに特徴的と思われる実習内容」について書いてみました。
老年病内科の紹介も後々書いていきます!
かわでぃー
―
2015年4月20日月曜日
Civic散策 ‐Hot chocolate編‐
にゃん吉です。はじめまして!
かわでぃーにBlog任せっぱなしで心が痛いので、これからちょくちょく書いていくことにします!
手始めに、先々週末のCivic散策の話をば。
昨日かわでぃーはCivicまでチャリ観光したようですが、
先々週はかわでぃーと同じ科をまわっているANUの学生たちが親切にマイカーで(!)連れてってくれました!
東京ほど公共交通機関が充実してないので学生にとっても車は必需品のようです。
ANU学生たちは教会へ行くから後で合流ね!ということでCivic中心部で別れまして。
…さぁどこ行こう?
お、ANUに近いみたい!行ってみよう!!
とのことで徒歩にてANUへ!
ここまではよし!
プロセメで行くThe John
Curtin School of Medical Researchも見たいね!と地図を見たところ。
…え????
……ちょっと遠いね、やめよう(汗)
とのことで、少し中をお散歩して撤退。
ちなみに、地図のベージュ色の部分全部ANUのようです。
オーストラリアのT大と考えれば納得の広さでしょうか…
それにしても、緑が多くてお散歩には最適!
その後は、Canberra Centreと呼ばれるショッピングモールをぶらぶらして、
ANU学生オススメのHot chocolateのお店へ!
Koko Blackというお店。確かに濃厚で美味しい♡
(こってりしてて水が欲しくなるくらい!)
ちなみに彼らはマレーシア出身のANU学生。
「そんなことないよ~」って言っていましたが、超優秀な方々です(かわでぃ談)。
「マレーシアでどうやって英語勉強したの??」と聞いたところ、
実家での公用語がそもそも英語なのだとか!!
…幼少からの訓練の賜物、ですね。
先々週末のお話はこれくらい。
そういえば今日、チャリで買い物に行くかわでぃに会いました。
おもちゃのヘルメット姿、かわいかったので撮りたかったけどNGとのこと。
…どうにか帰るまでには撮るとしよう。うん。
にゃん吉でした。
2015年4月19日日曜日
Canberra チャリ旅 ① 早朝のCivic
私は医科歯科バド部附属チャリ部のメンバーでもあり、海外でもチャリを乗り回すのはかねてからの希望でした。幸い、来月やってくるゴリと折半するので、一人6000円未満。意外と安いでしょ!
キャンベラで自転車に乗る時の注意点は、”ヘルメット必須”ということ。なしで乗るのは違法らしく、近所のスーパーまでヘルメットなしで乗ってたりした後に友達から聞いて、ちょっと焦りました。仕方なく、最安700円のおもちゃヘルメット買いました。
キャンベラは非常によく整備された都市で、サイクリングにももってこいです。
さて、今朝は4:30起床。今日の目的は、日の出とともに上がる気球を見ること!こういうやつです↓
http://www.canberraballoons.com.au/より引用 |
撮影予定地はCivicというキャンベラの商業中心地です。Civicに行くには、友達の車に乗せてもらうか、バスか、自転車くらいしかありません。
片道10km程度。 |
先に結論から言うと、気球は一つも上がりませんでした。いつ上がるの?なんで?きっと時期があるんだね……
ただ帰ってきてもつまらないので、寄り道しながら撮った写真を載せておきます。
上の地図の湖 Lake Burley Griffin は川をせき止めて造った人工の湖です。 |
国会議事堂 Parliament House。結構かっこいい。 |
国会議事堂を背にすると、そこからアンザックパレード、オーストラリア戦争記念館、その奥のMt. Ainslie までが一直線に並んでいるのが分かる。今度あの山登ってやる。 |
すっかり秋、紅葉が美しい。 |
この通り、自然がいっぱい。この坂をチャリで下るの気持ちよかった! |
そろそろ実習や普通の生活の話も書いていこうかと思います。
かわでぃー
2015年4月14日火曜日
渡航前の準備について
Sydney! オペラハウスとハーバーブリッジ。いいでしょ! |
今日は時間あるので書きます。渡航前の準備の概要について。(後輩向け)
応募以降の手続きついて:
http://medicalschool.anu.edu.au/programs-courses/clinical-electives PDF参照
・10月1日応募締め切り
……4〜6月の実習については10/1が締め切り。応募の時点で第1〜3希望科を提出します。ちなみに医科歯科内の希望者応募の締め切りは8月いっぱいで、今年は定員4名に対しちょうど4人の応募でした。
必要書類は上のURLからpdfゲットしましょう。まずはAppendix (A)~(D) およびCurriculum Vitae(履歴書的な)、A letter of recommendation(医科歯科からの推薦状、発行に1週間ほど)、TOEFLスコア、医学部長サイン入りパスポートサイズ写真を提出します。Appendix (B) 申請費用 AUD$100 は免除でした!
渡航の、
・2ヶ月以上前に無犯罪証明書ゲット(警視庁で)
……今年はANU側と相談した結果、免除になりました!別名:渡航証明といいますが、取得に必要なANU からの受け入れのletter が来るのが2ヶ月前までに間に合わなかったからです。
・2ヶ月以上前にAFPでCriminal Record Check 取得・提出
……Australian Federal Police (AFP) で(オーストラリアでの)無犯罪証明書をゲットします。パスポート・学生書・クレジットカードを元にネットで取得しますが、申請から10日ほどかかります。
・1ヶ月半前くらいにANU から受け入れ許可の Letter 到着!
・1ヶ月前までに抗体・予防接種を提出
……ツ反は3ヶ月以内じゃなきゃダメだから早すぎてもダメ。ワクチン接種は少しお値段張りますが必要なので……。チェック項目が多く煩雑なので、大学の保健管理センターと連携して英文の証明書を作ってもらいます。
・約1ヶ月前くらいにWorking With Vulnerable People (WWVP) check
……子供などのvulnerable people と接する可能性があるため、許可書のようなものを申請する必要があります。ANU 側からメールが来るのでそれにしたがってやりましょう。少し煩雑で、クレジットカードの両面コピーも郵送する必要がありますが、不安なので番号のところは塗りつぶしてもいいかもしれません。
・渡航前にVISA取得 (ETAS)
……eVisaセンター(http://www.evisa.jp/product/5)では¥680でネットで取得できるのでおすすめ。(公式ホームページより安い!)
・渡航前に旅行保険・OSSMA加入
・elective 開始前に保証金額AUD$20million 以上の保険(医療関係の賠償)の証書が必要
……MIGA というオーストラリアの実習生対象の無料の(!)保険に加入するのがよいです。ネットで可。ちなみに生協の賠償責任保険も海外で有効ですが、AUD$20million に満たないかと思います。
・elective 開始前にStudent Placement Online (SPO) database のE-learning
……開始1週間前にANU からメールがあり、E-learning にて病院内での衛生管理、緊急時対応等に関する学習を修了してCertificates を送るように指示されます。結構面倒な手続きですが、これで手続きは終わりです!
そしてもちろん、
・飛行機チケット購入
……飛行機でCanberra 直通はなく、Sydney 経由で飛行機を乗り継ぐか、Sydney からバスもしくは列車でCanberra に向かう方法があります。
4−5月のかわでぃーとにゃん吉は、Sydneyから列車でCanberra へ向かいましたが、その前にSydney でちょっと観光してきました。いいでしょー。
にゃん吉、Sydney のボンダイビーチにて。 |
Sydney のQueen Victoria Building。 |
列車が期間限定半額だったので乗ってみましたが、普通です。列車の評判は悪く、バスの方が早いので帰りはバスにしたいと思います。
いずれにせよ、Sydney で飛行機をおりて観光するのはありでしょう!
今日はこれでおしまい。
かわでぃー
2015年4月13日月曜日
はじめまして! ANU臨床実習の紹介!
病院を遠くから。首都Canberra は整備された田舎。秋空ですねー。 |
Welcome to our blog!
どうもはじめまして!私達4名は東京医科歯科大学医学科6年の学生です。
当ブログでは、医科歯科 (TMDU) が提供する2ヶ月の海外臨床実習プログラムの行き先の一つ、
オーストラリア国立大学 (ANU) 医学部の実習先である
"Canberra Hospital"
での留学経験を書いていきたいと思います。
医科歯科ではハーバードメディカル・スクール (HMS) での臨床実習が有名ですが、今年からANU が臨床実習先として正式に加わることとなりました!私達が第1期生ということで、今後のためにもブログにて情報を残しておこうと思う次第であります。
さて、「第1期生」と書きましたが、本当は違うんです。
昨年、ANU での研究経験もお持ちのT先輩が2ヶ月に渡りANU で臨床実習を経験され、まさに私達のパイロットとして活躍してくださいました。さらに医科歯科の先生方の多大なご尽力があり、医科歯科とANU が提携を結ぶことで、この実習が実現しました。ちなみにプロセメでもANU派遣が実現しています。
誠に貴重な機会に恵まれたことに感謝し、精一杯の努力をしてこようと思います。
ANU 実習派遣までの流れ:
5年の学内選考(最終選考が7月)から9〜3月のトレーニングセッション (FOCUS) についてはHMS 組とずっと一緒です。詳しくはHMS 組のブログをご参照あれ!
http://tmduhms2015.blogspot.jp/
異なるのは、ANU 組は応募期限が10月1日なので、9月頭には実習希望者が決まることです。個人的に、応募に関してANU が恵まれていると思うのは以下の点です。
・応募が早いから準備期間が長く取れる!
・英語の厳密な審査基準がない!
・希望の科が通りやすい!?(←提携があるから…っていう個人的な期待です)
英語がさほど得意でない私は、おかげでTOEFLを何度も受けて得点アップに苦心することなく、その分医学英語に時間をかけられたのはよかったです笑(←いいのかな?)
実際に実習科が決まったのは2月でしたが、4人とも第1〜3希望が通り、バタバタすることなく準備ができました。
長くなってしまうのでひとまずこんなところで!
最後に我々4名の紹介を。
・にゃん吉 4−5月:Oncology、Thoracic Medicine
・かわでぃー 4−5月:Geriatrics and Aged Care、Immunology
・ゴリ 5−6月:Gastroenterology、Immunology
・はーりー 5−6月:Rheumatology、Oncology
実はもう2週目が始まっています。
感想は「楽しい!」
時間あるときに書いていきますぜ。
これからよろしくお願いします!
かわでぃー
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